on my list

日常のいろいろ。

He's the wizard!

8月22日(土)に愛知県豊明市文化会館で行われた「AKINORI NAKAGAWA's THE WIZ」を観てまいりました。

最高にチャーミングな音楽の魔法使い・中川晃教が描くオズの国。

いっしょに旅できてよかった。
そう心から思えるようなコンサートでした。

では、まず、覚えている限りで、曲ごとにかいつまんで感想を書いてみます。

「Overture」では、大坪さんがピアノの1音目をかなり長い余韻が残るように弾いてらした。それがとてもとても良かったのです。これから始まる物語の世界にすーっと連れて行ってくれました。
「The Feeling That We Have」の中川さんの歌声にものすごく女性性を感じました。裏声でふんわりと大きく包み込むように歌う中川さん。CDに録音されているのとは明らかに違うアプローチで、すごくすきだった。

いよいよ、オズの国へ。
「He's The Wizard」はパンチの効かせまくり!ビッグママ的な魔女。めっちゃ好きだった。
「You Can't Win」から始まる仲間が増えていくパートでは演じ分けが明確。初見の方でもわかりやすいように立ち位置を変えて歌ってみる場面もありました。ですが、一番は声の質、歌い方を変えてい面白かった。「Ease On Down The Road」では、ひとりずつ増えていくのがわかって楽しい。
このパートは、特に「Mean Ole Lion」がとても楽しかった!ライオンの姿が浮かぶような表現。唸り声、最高!そこからの「Be a Lion」は、しっかりドラマティックに盛り上げて、ここで一段落つく感じが出ていました。

つづく「Emerald City Sequence」。
大坪さんのピアノで小休止。しかし、この小休止がミソだなと今回、思いました。いままでの旅路の振り返りと、これからの旅への期待を持たせてくれる。
そして、イーヴリンの歌う「Don't Nobody Bring Me No Bad News」。
まるで何でもないようにクールなスタイルで難しいことをやるから、すっごく格好良かった。女性の役だけど、イーヴリンってきっとゴツゴツした感じだから、ちょっと男らしさを感じてみたりしました。

物語の山場でもある「A Brand New Day」。
中川さん楽しそうだった!そして観ている方もすごくすごく楽しかった!
そして、「Believe In Yourself」。聴く人すべての琴線に触れるような極上の表現。この曲はたくさんの人が涙しながら聴いていたのではないでしょうか。鼻を鳴らす音が聴こえましたし、わたしも泣いてしまいました。中川さんの確かな表現で歌詞が心に響く。日本語の歌詞をじっくりじっくり読みたいと思いました。

フィナーレの「Home」。
久しぶりにドロシーの目に映った故郷はどんなふうだったんだろう。すべてが愛おしく思えたに違えない。きっと旅の前とは違って感じたのではないかなと思いました。

今回の「THE WIZ」は、ドロシーの変化がよくわかる気がしました。
故郷の広いようで狭いカンザスで育てられたドロシー。内気な彼女が旅を経て、そこに宿る豊かさに気づく。
最初にドロシーが歌うナンバーは、大人になりたくない、わかりたくない、役割を果たしたくないという、変化や関わりを拒む気持ちの表れ。
そして、ドロシーは本当の望みを知らない。変わりたくないという意味では満たされているような、でも、本質的なところではそうではないような気持ち。
でも、旅路で他者と関わりながら、いつのまにか自分と世界とをつなぐ線が豊かになっていく。自分が望んでいるものもわかってくる。本当に満たされること、“home”の価値を彼女は知る。
そんな旅だったのかなと思います。
書けば書くほど砂が手からこぼれ落ちていくようなのですが、振り返って考察するとこんな感じ。

次に、大坪さんと中川さんの演奏について。
最初は、始めての白寿ホール以外でのWIZということで、ふたりでよしがんばろうと始まる
目を合わせたりもしながら、ふたりで作っていく
お客さんも盛り上がってきて、ふたりもいい感じ
そのうち、大坪さんが楽しくなっちゃってちょいちょい走っていきつつ、そこに新鮮に合わせていく中川さん
みたいな感じてすごく楽しかったです!!!
このふたりから生まれる感じ、毎回パワーバランスが変わっていいなと思います(笑)

最後に。
中川さんはやっぱり魔法使いだなぁとブログを書きながらしみじみ思います。
He's the wizard of music!
これからも魔法使いさんが元気に歌い続けていけますように。
すてきな旅をありがとうございました!